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在韓被爆者渡日治療委員会広島からの
小泉首相への要請文

2002年12月11日

内闇総理大臣小泉純一郎殿

 私たちは1984年から韓国の被爆者を広島の病院に招請して原爆後遺症の治療を支
援している民間団体です。志ある人々の貴重なカンパにより治療した患者は2002年
12月で474名になります。
 政府は、12月5日大阪高裁の判決を厳粛に受けとめ、上告を断念して韓国を初めとす
る在外被爆者に対して被爆書援護法を完全に適用するための施策を直ちに実施すること
をもとめます。

 大阪高裁の判決は、郭貴勲さんが帰国後も被爆者であることを大阪地裁に続き再び認
定し、打ち切られた健康管理手当の支払いを命じました。これによって在外の被爆者に
再び希望の灯がともりました。しかし私たちは昨年同じ趣旨の判決が郭貴勲さん(大阪地
裁)と李康寧さん(長崎地裁)に対してだされていることを想起しない訳にはいきません。
政府はこの双方に控訴して被爆者の長年の切実な期待を断ち切りました。
 在外被爆者は不十分な援護のため、健康回復の遅れとそれに起因する経済的困難の悪
循環を強いられています。さらに同じ被爆者でありながら日本の被爆者とは対等に取り
扱われていないという精神的苦痛がこれらを倍加させています。今回の判決はそうした
無念さを癒し、生きる力となる条理ある判決です。今度こそ上告を取りやめ、被爆者本
位の援護策に転換することをもとめます。
 高齢化した被爆者には時間がありません。今まで多くの在外被爆者が無念の思いを抱
いたまま亡くなっていきました。例えば今年8月に訪れた韓国の平沢(ピョンテク)市の
韓国原爆被害者協会の畿湖支部では、1975年の支部結成時の会員260名が、現在
は80名に減少していました。有効な施策に早急に着手しなければなりません。
 そして高齢化した被爆者が、たとえ渡航費を支給されても、遠距離のなか、仕事を休
んだり、あるいは重い症状をおして日本へ渡航することができないというのが今や現実
なのです。
 多くの被爆者が帰国後の健康管理手当の受給と現地での治療を切望する理由がここに
あります。政府には在外被爆者の苦しみを解決する歴史的責任があるわけですから、早
急に被爆者援護法を適用するための具体的方策を実施することをもとめます。

〒730−O051                  
広島市中区大手町1丁目4−11       
河村病院内                   
TEL 082−248−0666          
在韓被爆者渡日治療広島委員会       
代表      河村 譲             


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