李康寧さんも「被爆者援護法裁判」を提訴

五月三十一日午後一時すぎ、釜山の被爆者の李康寧(イ・カンニョン)さん(韓国原爆被害者協会釜山支部副支部長・長崎原爆三菱徴用工生存者同志会会長)が、車貞述釜山支部長と龍田紘一朗主任弁護士と支援者たち二○名ほどが見守るなか、長崎地方裁判所に一通の訴状を提出した。
 季さんは、長崎市と日本国政府を相手に、「(1)いったん日本に来て取得した被爆者健康手帳と健康管理手当の受給権が、韓国帰国によって打ち切られたのは、違法な処分であるので、その処分を取り消せ。(2)違法な処分によって受けた精神的苦痛に対して慰謝料二○○万円を支払え。(3)処分を不服として審査請求を行ったことに対し、日本国は処分決定までに一年半もかかった。一年半も待たせたことに対する慰謝料一○○万円を支払え」という訴えをした。
 現在、大阪地方裁判所で係争中の郭貴勲さんの裁判と同じく、「被爆者援護法の海外適用を求める裁判」が長崎地方裁判所でも始まったのである。

   (韓国の原爆被爆者を救援する市民の会会報「早く援護を!」108号より)


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