中国新聞ニュース   2001.10.24 


在韓被爆者は2161人 大韓赤十字社調べ

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 広島・長崎で被爆し、韓国に住む被爆者は二千百六十一人で、うち日本の被爆者健康手帳の所持者は八百七十四人いることが、二十三日分かった。中国新聞が、大韓赤十字社の資料を得た。日本政府が一九九一年に初めて「人道的な見地」から拠出した在韓被爆者への支援金四十億円は、二〇〇五年に底を着くことも分かった。

 在韓被爆者の実態の一端が、韓国の公的な機関によりまとまり、公開されたのは初めて。大韓赤十字社は、日本の政府開発援助(ODA)から九一年と九二年度に拠出された四十億円に基づく「原爆被害者福祉基金」を管理、運営している。

 被爆者の内訳は、広島市への渡航が一〇年代から始まった慶尚南道陜川郡が五百三十九人(うち手帳所持者は百四十二人)、釜山が四百九人(同二百七人)、大邱を中心に慶尚北道が四百五人(同二百三十九人)など。

 基金は、九六年に開館し、七十八人が入る陜川原爆被害者福祉会館の建設費(約二億七千六百万円)のほか、韓国政府の半額負担がある診療費や、診療補助費(月額約一万円)などに充てられ、四年後には約十九億一千万ウォン(一億九千百万円)が不足する。

 被爆者健康手帳の取得者は、日韓両国政府が八〇年から八六年まで行った「渡日治療」計三百四十九人のうちの健在者や、その後に自費で来日して交付された人たち。大韓赤十字社は、基金が限られていることから、九五年以降は日本で手帳を取った被爆者だけを新たに支援の対象としている。

 大韓赤十字社の尹錫勲特殊事業所長は「日本の被爆者と同じ援護を受けられるよう、政府を通じて働き掛けたい。今の状態では、年老いた被爆者の生活費となる診療補助費を削るしか、基金の枯渇を先延ばしする策はない」と話している。

 在外被爆者への援護をめぐっては、坂口力厚生労働相が韓国を八月末に訪れ、被爆者援護法の見直しに取り組む方針を表明。一方、日本政府は、出国後も健康管理手当の継続を求めて一審で勝訴したソウル南の城南市在住の郭貴勲さん(77)の判決を不服として控訴し、二十四日、大阪高裁で審理が始まる。



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