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在外被爆者を支援するつどい
−在ブラジル・在アメリカ被爆者は訴える−
2005年8月2日(火)18:30〜
広島市中区福祉センター5階ボランティア研修室

訴え:盆子原国彦さん(在ブラジル原爆被爆者協会)
岡崎昌彦さん(在米被爆者の会)


盆子原国彦さん(在ブラジル原爆被爆者協会)


うつむきながら話す盆子原さん。
会場の皆が「訴え」に心を打たれました。

盆子原国彦さんの訴え
    2005年8月2日「在外被爆者を支援するつどい」にて

 最初に、平成15年度から、30数年捨て置かれた在外被爆者の手帳取得、健
康管理手当の申請受給が被爆者裁判に勝ったため、日本に来れる人は受け取れ
るようになりました。これもひとえに日本にお住まいの皆様、特に在外被爆者
を支援して下さる方々のお力により実現できました事を心よりお礼申し上げま
す。
 私達が今一番心にかけ心配しています事は、病気の為、或いは年老いて日本
にいかれない在外の被爆者が見捨てられている事です。ブラジルの例を上げま
すと昨年3名の被爆者がお亡くなりになりました。この3名の方はそれぞれ被
爆者手帳を持っておられ、健康管理手当は日本に行かれない為支給されていま
せんでした。病気の為に病院に入院の費用などみな自費で支払われています。
 この内の長崎で被爆された方は、昔帰国し健康管理手当を受け取る権利はあり
ましたが、ブラジルに帰った為支給されず、平成15年の人道支援の援護で、さ
かのぼって健康管理手当が支給されることになり、喜んだのも束の間、時効の
為三ヵ月分しか受け取れませんでした。この人を昨年2月厚生労働省の2人の
係官が来伯した時ご案内して、見舞って頂きましたが、お亡くなりになるまで
何の援助も受けていません。そして死亡の後せめて葬祭料の支給をと申請いた
しましたが書類は返されて来ました。このように今一番援助が必要な被爆者は
何の援助も受けていません。
 この3月にブラジル向けに在外被爆者保健医療助成事業が行われ保険に入っ
ている人には援助が行われる事になり書類を出しましたが。未だにその支払い
はほんの少数の方々でほとんどの方々は支払いを受けていません。又ブラジル
在住の被爆者半数以上の方々が保険に加入していませんので保健手当ての
対象外となっています。我々は被爆者全員に援助は平等にと望んでいるので
すが、日本に来られた被爆者と来られない被爆者の援護の差は酷くなるばか
りです。今年ももう半年過ぎました、厚生労働省から保険に入っていない被爆
者の援護については何の情報も入っていません。同じ被爆者でありながら援護
に差別がある今の現状で、その差をなくし、一日も早く解決して、残り少ない余
生を、心から喜んで過していただけるよう私達は望んでいるのですが、後何年、
時間は有るのでしょうか?
 今年は被爆後60年と言う事で8月には被爆地で慰霊祭が盛大に行われますが、
総理大臣はじめ廣島市長、長崎市長と平和について語り、平和宣言など発表さ
れますが。在外の被爆者を差別し、苦しめている現状で、此の方達が真に平和
について語る資格があるのでしょうか、私はこの事を皆様に考えていただきた
いと思います。

 この在外被爆者保健医療助成事業の問題で、保険に入っていない被爆者を今
後どのように取りあつかっていただくのか、この7月28日、東京に着きました
翌日、森田会長ご夫妻と私で、厚生労働省に行き、担当の課長、室長にお会い
し、当方の要望などお話いたしました。
 それは日本に来れない為手帳を持っていながら、健康管理手当てなどもらっ
ていなくて、保険にも入っていない被爆者35名を対象に、サンパウロ市にあり
ますプラザッキ社が好意的に被爆者を対象に保険に入れてあげましょうという
回答を持って、お話に行ったわけです、その掛け金は日本円に換算しますと月
払い23000円、年間276000円、今行われています保健医療年間13万円を大き
く超える金額です。
 私たちの望みはこの13万円の上限をなくしていただく、これが第一番、次に海
外から健康管理手当てなどの申請を受け付けていただく。もしこれが認められ
れば頂いた健康管理手当ての内から足りない分を支払うことが出来るからです、
これが第二。
 今年外務省が海外の領事館などを通じ、在外被爆者の各種申請を受け付ける
ように検討中と発表された時は、在外の被爆者はどんなに喜んだ事でしょう、
この件はその後厚生労働省と検討中ということで進展がありませんが、このこ
とについてもお聞きしました、答えはまとめれば、今すべての在外被爆者問題
は裁判で争われていて、その結果が出た時点で考えましょうと。厚生労働省自
らこれらの問題について働く意思はない!と森田会長ご夫妻と私は理解致しま
した。ですから今争っています長崎高裁、広島高裁の判決がいかに重要である
か、皆様の熱いご支援をお願いいたします。
 
 今、在外被爆者は28カ国に住んでいます。外国に居住権があるというだけで
402号通達により日本国内の被爆者と差別され続けてきました。
 被爆者援護法というのは、被爆者の願いもありますが、国が放射能障害で苦
しむ被爆者を見て法制化した物です。その理念は「草の根を分けても原爆に遭
った被爆者を探し出しそれを援護せよ」ということでした。
 この事を思えば韓国などにお住まいの被爆者など、真っ先に援助の手が差し
伸べられなければならなかったはずです。なぜかと言いますと、この方達は広
島、長崎で日本のために共に戦い苦労された方々です。この方たちを一通の通
達で30数年間日本に住む被爆者と差別してきた事は許せない事ではないでしょ
うか。
 もし局長通達がいとも簡単に受け入れられるのなら、在外28カ国に住む被爆
者に対し、「402号通達で日本に住む被爆者と、外国に住む被爆者を差別してきま
したが、今後海外在住被爆者も日本国内に住む被爆者と同等に援助いたし、過
去30数年にわたり、差別し、捨て置いたことに対し、この間に死亡された被爆
者を含め、謝罪し保障を行います」と、せめてこのぐらいの通達が出されて当
然ではないでしょうか。
 今年は被爆後60年ということで8月6日、9日と広島、長崎でお亡くなりに
なった数十万人を慰霊する式典が行われます。この席で世界中から寄せられた
平和を望むメッセージが読み上げられます。広島、長崎市長は世界に向け平和
宣言を読み上げられますが。在外28カ国に住む被爆者は、日本政府から差別さ
れている現実を考えるとき、この方達が言われている世界平和の理念はわかり
ますが、その言葉が空虚な言葉遊びに過ぎないと思えるのです。
 被爆後60年、真にこの方達が広島、長崎から世界平和への言葉を発信するの
なら、この地で亡くなられた方々を省み、放射線障害で苦しむ多くの被爆者な
ど、すべての被爆者を平等に援護する決意を、勇気と決断力を持って述べ、こ
の60周年慰霊式典が新しい世界平和の出発点となる確信を持っていただきたい
と望むものであります。


田村和之 龍谷大学法科大学院教授
(在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会代表)

岡崎昌彦さん(在米被爆者の会)



崔日出(チェ・イルチュル)さん
(韓国原爆被爆者協会元会長)


森田隆さん・綾子さん夫妻
(ブラジル原爆被爆者協会会長)


盆子原さんの訴えにハンカチを目に当て、感涙の人も。
前列左から事務局の加藤陽祐と豊永恵三郎(韓国の原爆
被害者を救援する市民の会広島支部長)


足立修一弁護士から在外被爆者裁判全般についても説明


金子哲夫さんから直近の在外被爆者問題の流れについて解説


受付は事務局の三村正弘と有村洋介


司会は事務局の加藤陽祐。


在外被爆者問題は、日本のメディアだけでなく、
ブラジルや韓国のメディアも取材し、自国で報道し
ます。この日は韓国のテレビ・クルーが取材してい
ました。この数日前にはブラジルのテレビ・クルーが
森田さん夫妻を取材していました。



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在外被爆者を支援するつどい
−在ブラジル・在アメリカ被爆者は訴える−
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日時:2005年8月2日(火)18:30〜
場所:中区福祉センター(大手町平和ビル)5階 ボランティア研修室 
資料代:500円
中区福祉センター(大手町平和ビル)広島市役所向かい側ビル
広島市中区大手町四丁目1番1号TEL249-3114、FAX242-1956

日程:
@あいさつ  田村和之(龍谷大学法科大学院教授)
A在外被爆者の訴え 
盆子原国彦(在ブラジル原爆被爆者協会理事)
 岡崎昌彦(在米被爆者の会)
B在外被爆者裁判の到達点と課題 足立修一(弁護士)
C質疑応答
Dあいさつ 豊永恵三郎
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在外被爆者紹介

【盆子原 国彦さん】 (在ブラジル原爆被爆者協会理事)
 5歳のときに舟入川口町の自宅で被爆。勤労奉仕の母と学徒動員の姉が爆心地で死亡。父と探し歩いた記憶を持つ。1961年21歳でブラジルへ移民。農業、会社経営などを経て退職。現在は在ブラジル原爆被爆者協会を推進するスタッフとして活躍。

【岡崎 昌彦さん】 (在米被爆者の会)
7歳のときに広島で入市被爆。1965年渡米。

 在韓国・在ブラジル・在アメリカの被爆者が、居住地から行った手当等申請についてなどの裁判では、在外被爆者を国内被爆者と同様に取り扱うべきことがどの判決にも明記され、毎回、勝訴のニュースが新聞の一面を飾っていることは、ご存知のとおりです。
 しかし、国はこれにも関わらず控訴・抗告し続け、裁判の継続を理由に、判決に従った根本的な解決を図ろうともしません。国が手続きはいったん日本に来なければならないとの姿勢を崩さないために、日本に来ることもできない一番苦しんでいる被爆者たちが、いまだに放置されています。
 今回、ブラジルとアメリカから在外被爆者のお二人を広島に招請し、講演していただきます。また、在外被爆者裁判についての最新情報をあわせてお伝えします。多数お集まりください。

主催:在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会 
      〒730-0036 広島市中区袋町4-25 日商岩井袋町マンション402号
      TEL/FAX:082−246−8699 Email: brabvstaff@yahoo.co.jp
      郵便振替口座:01380-4-69413 
      http://www.no-more-hiroshima.com/