ムグンファ夏祭り報告より


 8月6日の広島


 今年の3月ムグンファの会に入った私にとって、会の主な活動のひとつであ るバザーへの参加は、この夏祭りバザーが初めてでした。
 仕事をしているため一週間のバザーの期間の中で参加できたのは3日間だけ でしたが、新しく目にしたもの、知ったことがたくさんありました。
 まずひとつは、善意ある人のなんと多いことかということです。
 バザーの売上金、寄付金は目標金額を大幅に上回りました。(中略)
 そして私は、初めて8月6日の平和公園付近の独特な雰囲気を知りました。
 恥ずかしい話、20年以上も広島に住んでいながら、8月6日は夜の灯籠流 しを一度見たきりだったのです。
 平和公園近くのバザー会場へ行く際に通った、爆心地の島外科病院には、た くさんの花が飾られており、その周辺は公園からの線香のにおいがたちこめてい ました。
 バザー会場に来る方もいつもとは違っていました。在韓被爆者問題を扱った 小冊子がいつもより多く売れましたし、立ち止まって「私もこういう活動をして います」とお話をされていく方もいらっしゃいました。「いつか広島の八・六を 見に来たかった」という県外の方にもお会いしました。
 私の知らなかった8月6日の広島は、死者を想い弔い、悲しみを新たにする 人々が集まる一方、何事かの意志を持ってヒロシマを知ろうとする人々の集まる 場所でした。
 ムグンファの会の特集番組を組みたいとのNHKの方の計らいで、私達は治 療に訪れた在韓被爆者の方と、バザー前に初めて食事会をしました。実際に患者 の方にお会いしたのは初めてのことで。改めて活動の方向性を考え直すきっかけ にもなりました。
 そしてまた、今もなお「足が痛い。」と原爆の後遺症に悩むおばあちゃんを 目の前にして初めて、異国の地で治療を待ち望みながら苦しみに耐えている人々 がいるという事実を現実のこととしてとらえることができたのです。(中略)ど うぞこれからもムグンファの会へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします 。


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